「特定のだれか」
ニコの家は、子育て世代の若い御夫婦の家が多いのですが、
子育ての終わった仲のいい御夫婦のための住まいです。
山を臨む南面のお庭を残し、
静かに2つの小さなおうちが寄り添うような計画としましたので、
一日過ごしていると、
刻々と、いろんな場所から光が差し込んで来て、
周辺の、のどかな風景をのんびりと楽しめるおうちです。
ものすごくシンプルな平面なんですが、
1階の居間だけちょこっと天井を高くしたり、
キミドリ色のななめ壁が貫いていたり、、、と、そんなちょっとした空間のリズムにより
実際体験する空間は、ちょっと平面図からは想像できないくらいに立体的です。
来年100歳になるという池田さんのおばあちゃんに、
「まぁ、、子供が喜びそうな楽しいおうちねぇ、、。」
と、とても楽しんで頂けたのが嬉しかったなぁ、、、。
僕らの仕事は、実際は、
「特定のだれか」
に向けて作る仕事です。でも、そうやって、できあがった空間が、
「特定のだれか」
を超えて、いろんな世代や、いろんな価値観の人に伝わるといいな。
だってみんな、
最初は赤ちゃん、それから子供、ことな、大人になり、
ゆくゆくはおじいちゃんになる訳で、
結局は、1人の人間の歴史なのだから。
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