中道さんの家

house for nakamichi

神奈川県鎌倉市 / 住宅+店舗スペース(美容室、エステ、貸店舗) / 木造3階 / 夫婦+子供2人

2016











 

なにより、一番は、

365日、自宅と職場が同じ敷地であり、

美容師という密室空間で毎日働く中道さんにとって、

その日常が、

街や、四季や、一日の天候の小さな変化と

連続した生活になり、

ちょっとした短い空き時間にも、すぅっと街にまぎれこんだかのように、

気分転換できると楽しいだろうなぁ、、、、と思うのです。









 

 










「このなかでいちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、

てんでなってなくって、

あたまのつぶれたようなやつが、

いちばんえらいのだ。」


宮沢賢治 どんぐりと山猫より





最初にお会いした時に、

「まず、美容室の設計である事は忘れてください。」そして「家で迷子になりたいんです。」

ともおっしゃっていた事が印象深い。

お店なのか、家なのか、、何屋さんなのか、、、。


だれがお客さんでだれが美容師かすら、分からなくなるような、

そんな場所が良いとの事。





終始そんな禅問答のような事しか言ってくれない中道さんではあったのだけど、

中道さんの家族と周辺の街を散歩していると、

職住一致で街とともに生きるというのは、こういう事なんだなぁ、、、とちょっとした感動すら覚えた。

一緒に街を歩くと「あら、こうちゃんっ。」

と街の方々に声をかけられてなかなか先に進めないのだ。

街に流れるのんびりとした時間の中で、

その度ごとに立ち止まり、出会う人それぞれに誠実で、

美容師という職を超えて家族ぐるみでこの街に根付こうという決意みたいなものを僕は感じた。


そう、中道さんは、この街と繋がろうとしているのだ。













同時に、同じ場所でお客さんを待ち続ける、

美容師の職住一致はどうあるべきなんだろうか?とも考えた。




「、、、手に残る残像を消すために、お客様の変わり目には必ず外に出るんです。」



こんな習慣を日々守り続ける中道さんにとって、

少しの合間、次のお客さんへの変わり目、

そんなちょこっとした時間に、「ああ、この街に住んでいるのだ。」という事を感じられたら。




移ろう空や光。風や道や雨のにおい。通り過ぎる子供達。


一歩踏み出すだけで、街に迷い込んだように気持ちをリセットできるような場所になるといいなと思った。




 







街のような住宅、街になる住宅。



どっちが先でもその世界はきっと素晴らしいのだ。





















 

 

















 





























































































 




















 

































 









 

 



















































































































































 

































敷地面積:168u   建築面積:99u  延べ床面積:189u 
   
構造:桑子亮 桑子建築設計事務所 

施工:大和田工務店  /ハタノワタル(和紙)/アトリエベガ(特注金物)/砂森山野草商店(造園)/ベイス(レンガタイル)

photo:※は新建築社、その他:西久保毅人