06.06.01 御主人はオペレーター 。
奥さまは魔女、みたいなタイトルですが、現在工事中の花畑の家のご主人は、
建設現場ではおなじみの生コン打設のオペレーターです。
現在基礎工事中なのですが、せっかくなので、ご自分の家の基礎コンクリートの打設を
お願いする事になり、先日打設が行われました。
住宅の建て主様がご自身で直接コンクリートを流すなんて、ニコ設計室としても初めての経験です。
塗装くらいはよく行いますが・・・。
いつもの打ち合わせでの穏和な雰囲気とは全然違う、プロの職人としての姿に、設計者としても感動を覚えたのと同時に、
なんというか、家造りの原点に触れさせて頂いたような気がしました。
「昭和の良い時代の雰囲気を持った家にしたい。」
というちょっと変わったご要望を受けてスタートした花畑の家。
水平を強調する高床、縁の下、長くて深い軒、真壁・・・・など、たくさんのキーワードを提案しましたが、
これらは全て建て主さんの価値観を僕らなりに読みとったモノ。
非常にコジンテキな、建て主さんの原風景から産まれたものです。
住宅にまつわる情報が氾濫し、誰でも最新情報が入手出来る時代。
建て主さんよりも、僕らの方が遅れてる、なんて事も良くあります。
新商品、新機能、
高断熱、高気密、高性能、・・・、とどうしてもあふれる新商品の宣伝文句に振り回されがちです。
しかし、それらを寄せ集めたからといって、気持ちの良い家が出来る訳ではありません。
情報に流されないで、自分の好きな場所で立ち止まってみる事。
自分の好きな場所を知っている事。
設計者もオーナーも一緒になって立ち止まってみる事が、
「わたしたちのいえ」
を造り上げるキーワードだと思っています。
余談ですが、建て主さん自ら、コンクリートを打つという事がこんなに感動的な事と分かっていたら、全部コンクリートの打ち放しに
すれば良かったかも?とひそかに悔やむ今日この頃です。
西久保毅人