06.05.13 トリアエズ、ナメテミル。

 
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06.05.13 トリアエズ、ナメテミル

なめるように見る、という言葉があります。
実はこの言葉は、人間の成長における味覚と視覚の連動という奥深い意味があるそうです。



うちのソラちゃんは、近くにあるモノは、大抵、まず口に入れます。

こっちを見てニコニコしてるなー、と思って手を差し出すと、とりあえず、ぱくっ。
風呂に入れると、風呂のフチをとりあえず、ペロペロ。
床に転がしておくと、近くにある本をムシャムシャ。

最近は、僕の読みかけのアエラが好物のようで、よく食べてます。

とりあえず、目に入るものは、うまいかどうか、食えるかどうか確認する。
それが、ソラちゃんの日々の活動のすべてであり、
日々、脳みそに
「消しゴム=おえっ。」
「ティッシュ=高いヤツはそこそこ食える。」
「パパの太もも=塩分補給に良い。」

などと刻まれているようです。



さて、なめるように見る、という行為は、実はこのような赤ちゃんの時の日々の活動が、
脳みそに刻まれ、ある時、実際になめなくても、見ただけでその触感までイメージできる、
という能力の現れです。

だから、赤ちゃんの頃に、さんざんいろんなモノをなめ回した人ほど、想像力や表現力が
豊かになるそうで、本当にうまそうな料理の絵が描けたり、人の触感まで刺激する写真を
とったり、なまめかしい彫刻を作ったりする芸術家は、実は赤ちゃんの頃、人一倍いろんな
モノをじっくりなめた記憶があるのでしょう。

まあ、難しい話はさておき、ソラちゃんの「とりあえず食ってみるか?」という衝動は本当に感心します。

住宅のプランも、だんだん経験を積むと「あれはダメだな・・・。」とか、描く前に判断してしまう事も
ありますが、「とりあえず描いてみるか?」そして描いてから「おえっ。」っと思う方が、きっと
良い家につながると思っています。



                                         西久保毅人