06.01.18 ソラのせな毛とモロー反射。

 
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うどんのザルに入ったソラ








竹富島の集落(沖縄)
赤い屋根が延々と続き、基本的に平屋が多い
のどかな風景。
低い石垣と緑が、境界を作っています。
竹富島には、警察官がいないそうです。
そして、ヤギの数まで、公民館に書いてありました。
現在、ヤギ32匹、人300人・・・とか。









石垣は、実はサンゴを積んであるだけ。
確かに触るとボロッと落ちてきました。

06.01.18 ソラのせな毛とモロー反射。


あい変わらず、でべそ治療中の我が家の第3子ソラには、生まれた時背中から肩にかけてフサフサと毛が生えていました。

実際、赤ちゃんというのは産毛(うぶげ)という薄い毛がたくさん生えているモンなんですが、ソラのせな毛は、ちょっと産毛レベルというより、「けもの?」というくらい黒々していました。僕ら夫婦は、どっちかというと体毛の薄いタイプなので、それが新鮮で、裸にして背中を向けると、フガフガ、ブヒブヒ、言うので、ますます「けもの?」っぽかったのです。

そういえば、僕の大好きな坂本龍馬も、産まれた時にたてがみのような毛が背中に生えていたらしいので、

「おお、これは、龍馬と同じだ。」

と、僕は個人的に楽しみにしていたのですが、2か月も過ぎると、擦れたのか、綺麗さっぱりなくなってしまいました。これは残念。龍馬の夢もたった2か月でした。



このように、赤ちゃんというのは、期間限定の出来事をいくつか持って産まれてきます。

その中で、典型的なのは、「モロー反射」と呼ばれる反射運動です。
これは、お子さんのいる方は必ずご存じだと思いますが、どういう反射運動かというと、生まれたての赤ちゃんは、体の前面(胸とかお腹)を解放されるのを異様な程嫌がります。
その嫌がりようといったら激しいもので、洋服を脱がされるだけで、泣き叫びます。

じゃあ、どうやって風呂に入れるのさ?

という事になりますが、服を脱がすと同時に、体にガーゼを掛けて、それをつかませてやると、安心して泣きやむのです。だから、赤ちゃんは、胸にガーゼを掛けたまま、それをしっかりと握りしめてお風呂に入ります。
とはいえ、少しははがさないと胸が洗えないので、半分ずつはがして洗うのですが、それでも大泣きです。


このようなシーンで、裸の赤ちゃんが裸にされると同時に反射的に、何かをつかもうと必死にもがく動作を「モロー反射」というのです。

要は、体の前面が、何かに触れていないと不安で、怖くてどうしようもない、という事で起こる運動で、
これは、きっとお腹の中で、丸まって生活をしていたため、突然、世に出て、今まで隠していたところを急に見せろって言ったって、そりゃ、あんた、どこの誰かも分からないヤツに見せてたまるもんですかっ。なにされるか分かんないし・・・・。という事でしょう。


しかし、だんだん赤ちゃんも「こいつら、敵ではないかも??」と思い始める2、3か月くらいから、「モロー反射」もだんだんなくなってきます。

もしかすると、安心感、信頼感、というようなモノが、人間に初めて芽生える瞬間かも知れません。



たぶん、大昔から、産まれたばっかりの人間が世界共通で行うこのモロー反射という期間限定の運動。

なんで、こんな反射運動が、ずっと残ったままなんでしょうか?

なんで、お腹や胸をあらわにするとおびえるのでしょう??

そして、これはたぶん、人間特有のもの・・・・。


僕は、こんな仮説をたててみました。



「人は、誰かと抱き合うために産まれてきたんじゃないのだろうか・・・・。」

産まれた時に、一番不安だった場所。

でも、大好きな二人が、そこ同士を合わせると、とっても安心する場所。

人は、一人では生きていけません。
その事を、この「モロー反射」が示しているのではないでしょうか?

産まれて、たったの2か月足らずで、自分の記憶にすら、残らない反射運動。
なんの役にもたたない、反射運動。


それが、もし、本人のためではないならば、それを唯一見る事が出来る、我々人間の大人に、その事を
教えるために、わざわざ大昔から、残ったままなのかも知れない、と思ってみました。

そんな事を考えると、なんか人間って、結構ロマンティックな生き物だなー、と一人もの思いにふける
今日この頃であります。



おしまい。                      西久保毅人