05.10.24 2周年記念、という訳ではないですが。

 
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横浜の小林邸の現場。
先日上棟しました。
前に、ここでも紹介しました、三角形の住宅
です。
ほとんど間仕切りのないワンルームの空間に
大きく膨らんだような勾配屋根が乗っかって、
それでおしまい、というくらいシンプルでダ
イナミックな空間です。上のの写真のような、
構造がむき出しの内部空間となる予定です。
もちろん、模型では確認していたのですが、
現場に立ってみて、自分でも感動してしまう
くらい、ダイナミックな空間となりました。


上の写真のブロックの向こうが浴室になりま
すが、もちろんブロックもむき出しです。
コンクリートブロックは、内部空間で使って
みたかった素材の1つ。

そして、この家は「初原的」という言葉がよ
く似合います。

「家ってさー、家族がいて、屋根があって、
寝るとこがあれば、それでいいんだよねっ 」
と「すみかとしての家」の原型をみるような
間取りや素材の扱いとなっています。

しかし、住宅としての性能は今までで最高ク
ラス。セルロースファイバーを壁の中に充填
する断熱材と床暖房によって、冬暖かで、夏
涼しい家になる予定です。

05.10.24 2周年記念、という訳ではないですが。

気付くと、このホームページを作って2周年が過ぎました。

実は、事務所開設というのが、どこをさすのかはっきりしません。登記上は、2001年12月に事務所登記はしたのですけれど、登記したからといって仕事がやってくる訳でもなく、しばらくは妻子を抱えてバイト暮らし・・・・。

一番最初にお仕事として受注したのは、2002年5月に友人宅の本棚で、住宅としては、2002年7月の中野区酒井邸が最初でした。
その時の感動と言ったら、筆舌に尽くせません。
帰り際の一人ガッツポーズは今でも忘れられない思い出です。
それからすぐに板橋区星邸を設計させて頂ける事になり、ほぼ同時進行で、やっと設計事務所らしくなった頃です。当時29歳。こんな若造によく任せて頂いたと、感謝してもし尽くせません。

そんな状況で、いきなりテレビの取材というのも正直とまどうものでした。
芸というのは、本来は、まずは磨いてから人様にお披露目するものなのですが・・・・。

1年後の2003年9月。
星邸が先に完成して放映される事になったのですが、僕としては、2件完成したはいいものの、その後の仕事の予定もありません。友人に相談したら、放映に合わせてホームページでも作ったらいいかもよ、との事。そうはいっても、一番そんなところからほど遠いアナログ人間。
ホリエモンさんと同い年なのに、えらい差です。
人に頼むお金もないし、インターネットでひたすら「ただで作れるホームページ入門」というのを読みあさって作ったのが、まあこのホームページの原型です。

「ちょうど、インターネットで建築家でも探してみるか?」
というスタイルが、一般の方に定着し始めた頃と重なるのでしょうか?
おかげさまで、たくさんの方に見て頂けるようになり、このホームページがなかったら、ありえなかった出会いをたくさんさせて頂きました。

僕も、更新したりしなかったり、かなりムラのある運営ですが、何とか2年続いています。
体感的には、もっと長い気がするのですけど。

そして、おかげさまで、今年で、事務所設立後、10件目の住宅が完成します。

どの住宅も、その場所と、ご家族との出会いがあったからこそ、考えられたものばかりで、

「敷地と家族の生活にしっかり向かい合ったからこそ出来た、世界で唯一の家をつくるぞ。」

という最初の決意を、微力ながらそれぞれにに実現できたのでは、と思っています。

さて、特に2周年とか10件だから、という訳ではないのですけど、ずーっと自分の中でストレスになっていた事があります。

それは、住宅達の表記の事です。

なんとなく、習慣的にH邸、とかS邸とか、アルファベットで物件名を表記してきたり、文章中ではSさんがですね、みたいな書き方をしてきました。
書きながらも「H邸やSさんて、一体・・・?誰?」となんか単純に、我が子のように可愛いはずの家と距離感を感じるのです。

ですので、今回思い切ってそれぞれの建て主さんに承諾をえて、名字表記へと変更する事にしました。(11月からを予定。一部をのぞいて。)
敷地の場所の表示は、区や最大でも地名までにして、プライバシーには最大限配慮させて頂きます。

それは、設計をさせて頂いたご家族や住宅達への、僕なりの愛情表現でもありますし、今後も初心忘れる事なく、1件、1件、最大限の愛情を注いだ住宅を作り続けていくぞ、という決意表明でもあります。


と、ちょっと大げさになりがちな性格ではありますが、それは勘弁していただいて、
こんな感じで、今後ともよろしくお願いします。