もうすぐ、保育園の運動会です。
毎年この時期になると、子供が紙を渡されて、自分の旗を作ります。
さて、毎年、みんなで旗に絵を描くのですが、リンタロウの旗は、ママによりたくさんの動物が描かれました。
リンタロウは、動物にしか興味がないので、選択の余地なく、いつも気楽。
さて、夢見るお年頃、ノノの番。
表には、ママにウサギを書いてもらいました。
裏に何書く?となった時に、究極の質問、「パパにおうちかいて欲しいけど、いい?」
しばらく、固まってしまいました。
そりゃー、よそのお家は、たくさん設計しているし、どれも自信作。
しかも、自分の子供におうちかいてっ、なんて言われると自分の仕事を認めてもらったようで、悪い気はしません。とちょっと、にやけ顔。
しかし、本心は、子供に改めて「おうち書いて」と言われて愕然としました。
何気ない質問なのでしょうけど、「おうちって何だっけ?」と「おうち、おうち、おうち、????」と自分の中で自問自答。
僕たち、設計者にとっては、究極の質問なのです。
まあ、結論をごまかすべく、ノノに質問。
「おうちって、どんなおうちがいいの?」
「たかいおうち。」
「高いって、背が高いってこと?」
「そう、まんしょん。」(えっ?)
「なんで、マンションがいいの?一軒家でなくて?」
「そう、さゆりちゃんちみたいな・・・。」(なんだ、僕が設計したマンションか。オープンハウスに連れて行ったからね。
そりゃー、あの設計は、良かったし、それが印象的なんてうれしいじゃないか?)
「なんだ、パパのお仕事のおうちの事ね。で、どのへんが好きだったわけ?(間取り?色?素材感?)」
「2階のベット。」
「えっ、2段ベットがいいってことなの?」
「そう。」
「なんで?」
「・・・・・・。(飽きてきた。)」
というところで、ノノも会話に飽きて、もう答えてくれませんでしたが・・・・。
という訳で、ノノにとってのおうちって、単純に2段ベットへのあこがれだったのかな?と思ったのですが、本当は分かりません。
さて、翌日の朝。
ママに、「ノノねえ、やっぱりお家じゃなくて、ハイジでいいってパパに言っといてだってさ。」といわれ、
おうちを描く話は、なくなって、ホッと胸をなで下ろしたのでした。
何気ない質問に、あまりにアタフタする父をみて、気を使ったのかも知れませんが。
うーん、しかし、久々に、考え込んでしまいました。
毎日設計はしていても、我知らず、避けて通っている問題。自邸の設計。
正直言って、自分の事にはあんまり興味がありません。
よく、「建築家の人って、こだわって自分の家を作るんでしょう?」と言われますが、あんまり考えた事ないんですね。うちは。
(先立つものもありませんし、自営ですし・・・・と考える余地もありませんが。)
しかし、一瞬でしたが、ノノのおかげで、数時間真剣に考えてしまいました。
パパとママとノノとリンタロウの住む家
いつか出来るといいですが。
ボロくて、小さくていいので。
(04.9.14 にしくぼ)
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