都市ののカンサツ14   03.11.28

 
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家の名前


 先日、「星邸のタイトルは?」という質問を受けました。何とかハウスとか、の事でしょう。
 昔から、 住宅の名作には、いろんなタイトルが付いていますし、みなさん色々思い入れのある名前を付けてらっしゃいます。
 
  グラスハウス、タンポポハウス、落水層、余白の家、などなど。

 住宅の名前は、どうやら一番設計者がこだわったテーマが付けれれる事が多いようです。
 
  はて、では、僕の住宅は?と考えてみました。
 例えば、星邸のケースでも、いろんなテーマがありました。どれか一つ、と言われても・・・、と言うのが、正直なところ。
 でも、それらが何のためのテーマか?という問題に立ち返った時、全ての原点には、星さんご家族がある事に気づきました。
 いわば、星さんと出会ってなければ、出来なかった家です。
 その結果、実に星さんらしい家が出来ました。
 
 で、タイトルに戻りますが、やっぱり「星さんち」でしょう。 それ以外ないなー。
 もちろん、酒井邸は、「酒井さんち」です。

 こんな事を書いたのは、とある住宅の設計していて、ちょっと迷う事があったのですね。最近。
 いろんなプランが、描けるし、それぞれいいんだけど、何か決め手にかける、というか、自分自身100%納得いかない・・・。
 なぜか?
 その人らしくないんですね。なんとなく・・・。それらのプランが、そのご家族に似合っていない。
 僕は、自分で納得いかないプランは、人にお勧めできません。
 で、ハッと原点を思い返してみました。

 「結局、誰が何と言おうと僕の住宅の善し悪しの基準は、その人らしい家かどうかなのだ。」
 「つまり、まさに何々さんちだ、と呼べるかどうかなのだ。」

 ちょっと、こんな当たり前の事、自分が一番大切にしてきた事が、頭から飛んでしまってました。初心忘るべからず。
 という事で、ホームページ上に残しお手おきます。

 現在、いろんな住宅を設計していますが、その人らしい家になる事をプランの善し悪しの基準にしています。
 そして、まさにその人、ご家族らしいプランに辿り着いたとき、「よっしゃー」と思います。
 その点が、一番大切にしたいとこです。

 そして、完成して、「うーん、まさに何々さんちだ」と思えるような家を作っていきたいと考えています。
 そこで、あやふやなプランでは、住む人に失礼だと考えますし、僕も面白くありません。今回みたいに時には迷うけど・・・・。

 ※という訳で、現在進行中の仕事は、全て「何々さんち」と呼べるような家に育ちつつあります。
  ちょっと時間がかかっている時は、「こんな事を考えてるんだなー」とどうかお許しを。
  おしまい。(にしくぼ11/28)

 



では、またいつの日か。