都市のカンサツ05   03.10.14

 
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カテイ的、であること

 

たまには、仕事の話。

たくさんの方に問い合わせいただき、たくさんの方にお会いしていてます。
職業もバラバラ、趣味もバラバラ、家族構成もバラバラで、全然違います。

唯一の共通点としては、まだまだ若輩者の僕なんかに共感していただいている、という意味で
チャレンジャーという事でしょうか? (本当に頭がさがります。)

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家庭的、という言葉があります。
普通は、家庭的ねー、というと、ほんわかした語感、雰囲気を感じますし、そこから連想する風景は、
子供が2人位いるご家庭で、南面の庭があって、夫婦の趣味はガーデニング、お母さんは専業主婦で、
サラリーマンのお父さんも土日は家族サービス、もっぱら最近は購入したワンボックスカーで、家族で
ドライブ、そろそろ受験の近い長男をみんなで励まし合って・・・・なんて事を多かれ少なかれ連想してしまう
言葉です。

このような風景は、ハウスメーカーのCMでよく目にしますし、時代に合わせて暖炉があったり、ウッドデッキが
あったりの差はあるにせよ、戦後輸入された理想の「マイホーム」という幻想がいまだに根付いているのでしょうね。
悪いことではありませんが・・・。

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しかし、です。
少なくとも僕に相談されているご家族に、こんな家庭的を求めている人は1組もいません。
1組くらいいても良さそうなものですが・・・・。

どこにでもありそうな、どこにあってもおかしくないこの「家庭的」

しかし、実際はどこにもないこの「家庭的」

どこにでもありそうだから、どこにでもないのかもしれません。

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僕は、家はとことん「カテイ的」であるべきだと考えています。

ここでいう 「カテイ的」って、地球上の、その場所に建つ、そのご家族のための、そのご家族にしか住めない、
しかし、そのご家族にとっては、この上なく快適な、
という意味です。

こう考えると「カテイ的」イコール「個性的」ともいう事ができます。

「個性的」というのは、ただ変わってる、という事ではありません。
そのご家族と、その場所と、とことん腹を割って話したら、こうなっちゃった、これしかないよね。という
プロセスが形になった姿のことです。

そんな意味では「個人的」と言う方が正しいかもしれません。

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僕の仕事は、そんな世界で一つのめちゃくちゃ「カテイ的」「個人的」な家作りのお手伝いをする事。

そのために、出来るだけ僕は、「無地のキャンバス」になって、お客様と向き合おうと考えています。

遠慮せず、たくさん僕にむかって
「カテイ的」「個人的」落書きをして下さいね。

 

 

では、またいつの日か。